相続でよくある「親子」の相続トラブルについて
親子間の相続トラブルは、血縁関係が絡むため、お金の問題だけでなく、感情的な対立となり、深刻なものとなりがちです。
「話をしたくても何をどのように伝えたらよいのか分からない」
「親子だからこそ、言いにくいこともある」
とお考えの方も多くいらっしゃるかと思います。
父親が死亡し、母親が相続の対象不動産(実家)に住んでいるケースで,実家に住み続けたい母親と処分してお金が欲しい子との間で相続トラブルが発生することも珍しくありません。また、親が認知症等になり判断能力が減退したときには、不動産の管理や売却をするときに不便なことも多いです。
本記事では、「親子間の相続トラブル」について、弁護士歴25年以上の弁護士のもと,相続相談実績年間100件以上の当事務所の弁護士が解説いたします。
実際に当事務所に寄せられた相談事例
・疎遠であったり,絶縁状態であった親の財産を相続したくない
・父親が亡くなり、母親は自宅建物に住み続けたいが、子は家を売却したい
・跡取りである長男に全ての財産を相続させる遺言があったが,今後の生活費が心配な母親が遺留分の請求をしてきた
上記のような状況が発生した場合、どう対応すべきでしょうか。当事務所の弁護士より、その対応方法を解説いたします。
絶縁状態の親・子がいる場合の相続について
たとえ「勘当」や「絶縁」されていたとしても、法律上、親子関係がなくなることはありません。 「相続欠格」や「相続廃除」されていない限り、遺産相続の権利はあります。法律上は親子の縁を切るということは難しく、一度法律的に成立した実親子関係を解消する方法は原則としてありません(特別養子縁組など極めて例外的な場合を除きます。)。
遺言書を作成して第三者に遺贈する
「縁を切る」方法は存在しなくても、特定の相続人に「遺産を相続させない」方法はあります。
今まで関わりがなかった子供には、相続をさせない,相続分はゼロだと指定することは可能です。
ただし、この方法では、子供などが持つ遺留分を侵害するという問題があり、相続財産を受け取れなかった子供が遺留分侵害額請求を行う可能性があります。
財産を第三者に生前贈与する
遺贈や死因贈与などの贈与によってすべての相続財産を他人に贈与すると、相続できる相続財産がなくなるため相続させたい人に相続財産が渡らないようにすることが可能です。
しかし、「遺言書で相続させない」場合と同様、子供には最低限の相続財産を受け取る権利があり、子供がこの遺留分について「遺留分侵害額請求(旧:遺留分侵害額請求)」すると、遺留分侵害額相当額の支払いをしなければならないことになります。
遺留分の放棄
前記の遺留分侵害の問題については,遺留分放棄により対応することも考えられます。遺留分の放棄とは、遺留分の権利者が遺留分の権利を自ら手放すことです。言葉的には相続放棄と似ているため混同する人もいますが、遺留分の放棄は「相続放棄」とは違います。遺留分の放棄は「遺留分」のみを放棄しただけで、相続権は失いません。もし借金があった場合には、その返済義務を負う可能性もありますので、相続放棄の手続きを忘れないようにしましょう。
被相続人が生きている間に遺留分を放棄するには、家庭裁判所で「遺留分放棄の許可」を受けなければなりません。生前は被相続人が遺留分権利者へ遺留分の放棄を迫るなど不当な干渉が行われる可能性があるので、厳密な手続きを必要としており,簡単に許可されるわけではありません。
親子間の不動産トラブルについて
土地などの不動産のように、「分けられない資産」や「評価が難しい資産」が遺産として残されたケースは最も遺産相続トラブルになりやすい類型と言えます。
最も典型的な事例ともいえるのが、被相続人が父親で、相続人である母親が家に住み続けたいが、子供は不動産を売却してその売却代金を法定相続分どおりに分けたいというケースです。また,母親が不動産を相続することは問題なくても,それに見合った預貯金をすべて子が相続することになってしまうと,母親は,今後の生活費に宛てることを期待していた預貯金を取得できず,生活に困るというケースもあります(結果として不動産を手放さざるを得ないことになることもあります。)。
このような母親にとって住み慣れた自宅からの退去を余儀なくされるという不条理な事態を回避するため、改正民法では、「配偶者の居住権」という制度を設けました。
配偶者居住権とは
相続法改正で認められた配偶者居住権には、「短期の居住権」と「長期の居住権」があります。
「配偶者の短期居住権」とは、被相続人の所有していた建物に、無償で住んでいた配偶者に対して、相続人の遺産分割協議が終わるまでは、引き続きその建物に無償で住むことができる権利です。
「長期居住権」とは、配偶者以外の相続人が、配偶者が住んでいる建物を相続財産として取得した場合、配偶者は終身、つまり亡くなるまで、または一定期間、建物の使用を認められるというものです。
改正前の民法では,今まで居住してきた建物を相続した相続人である配偶者は、自宅不動産だけで多額の相続財産を相続することになり、他の預貯金等を相続することができないという結果になることが多かったのですが、この「長期配偶者居住権」が創設されたことによって、配偶者は引き続き家に住むことができ、また預貯金等の一部を相続することが可能になりました。
配偶者居住権は登記が必要
配偶者居住権を設定したときには、必ずその旨の登記を行わなければなりません(新1031条1項)。 |
配偶者居住権は、不動産の所有権のうち最も重要な「使用・収益の権利」を長期間制約することになる権利であるため、第三者にもきちんと公示すべきと考えられるからです。
配偶者居住権を設定すると不動産の評価額が下がる
配偶者居住権は、「所有権を制限する権利」に位置づけられます。
「所有権」は、法律の議論としては、物を使用する権利、物から収益をあげる権利、物を処分する権利といった、物に関するさまざまな権利を包含した権利であると考えられています。
配偶者居住権が設定されれば、このうち「使用・収益の権利」が大幅に制限されてしまうため、その住宅(不動産)の経済的な価値は大きく低下してしまいます。
相続は弁護士にご相談いただく
親子関係に問題がある、相続においては相続人の間でトラブルが発生する要素が多く、遺産分割がまとまらないことも考えられます。
公平な財産相続が難しいケースであれば、弁護士への相談を検討すべきでしょう。
早い段階で法的な根拠のある解決策を提示してもらうことは、相続人同士の人間関係を崩さないためにも有効といえます。
初回60分無料相談
当事務所では、相続の相談について、初回60分を無料とさせていただいております。兄弟姉妹との遺産分割協議が必要な相続について、あなたが不安に感じておられる点などを親身にヒアリングさせていただき、弁護士が不安点を解消できるように、ご提案させていただきます。気になることや不安なことがあれば、些細なことでもお気軽にご相談ください。
遺産分割サポート
親子間の遺産分割について、あなたのご希望をお伺いしたうえで、ご希望を実現するお手伝いをさせていただきます。相続財産の分け方を相続人同士で協議する遺産分割について、交渉や法的手続のプロフェッショナルである弁護士がサポートいたします。
※遺産分割協議から調停・審判に進展した場合、追加で着手金(ご依頼いただいた際にいただいている前金)をいただいております。
弁護士への相続の相談をご検討されている方へ
お早めに弁護士に相談いただくことで、相続や遺産分割問題について、あなたのご希望に可能な限り応えられる解決を実現する可能性が高まります。
また、遺産分割協議の段階で弁護士に交渉をご依頼いただくことで、比較的短期間で解決に進められる可能性が高まり、あなたの貴重な時間が奪われずに済み、またご家族・ご親族間の関係性も悪化させずに済むことが多いです。
上記のような理由から、「遺産分割協議が進まないな」「自分が進めたい遺産相続が進められなさそうだな」と少しでも思ったタイミングで弁護士への相続の相談をおすすめしております。
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