遺産分割に関連する訴訟の種類
遺産分割は、協議でまとまらず、調停でもお互いが譲り合わずに不調になった場合に発生する審判などの手続がありますが、これとは別に訴訟手続で争われることもあります。
そもそも遺産分割を行うにあたっての前提問題について主張が対立している場合には、民事訴訟等を提起して判決をもらうということがあります。
前提事実を争う訴訟として,次のようなものがあります。
・相手方に相続人の地位が存在しているかを争うもの(婚姻・養子縁組、協議上の離婚・協議上の離縁の各無効、親子関係不存在確認、認知無効、認知等)
・遺産(相続財産)の範囲について争うもの(遺産確認訴訟等)
・遺言,遺産分割協議の有効性・無効性を争うもの(遺言無効確認訴訟,遺産分割協議無効確認訴訟等)
それぞれ見ていきましょう。
目次
④遺言の有効性・無効性を争う訴訟(いわゆる遺言無効確認請求訴訟)>>
遺産分割審判
相続が発生して、相続人の間で遺産分割協議がまとまらない場合は、家庭裁判所に調停を申し立てて、家庭裁判所で協議を行うことができます。更に、調停においても協議がまとまらない場合には、審判手続きに移行し、裁判官が審判を行います。
相手方に相続人の地位がそもそも存在しているかを争う訴訟
相続人の地位不存在確認訴訟と呼ばれる訴訟です。相手方に、相続人として故人の財産を受け取る権利が存在するかについて争われるものです。
例)被相続人である夫が死亡し、戸籍上の相続人には後妻と後妻の子、先妻との子の3人がいる場合において、先妻の子が後妻と後妻の子に対して、それぞれに相続の欠格事由があるとして、相続人として認められないとし、先妻の子が後妻と後妻の子の相続人の地位を争うケース
※相続の欠格事由とは
→「推定相続人に、相続人としての地位を与えることがふさわしくない」ということを相続欠格といいます。その相続欠格が認められる一定の事由のことを「相続の欠格事由」といいます。具体的には、被相続人を相続人が殺害している場合や相続人が脅迫等で無理やり被相続人に遺言を書かせた場合などがあります。(相続欠格は民法891条に規定されています)
遺産(相続財産)の範囲について争う訴訟
相続人の範囲について争う訴訟は、「遺産確認訴訟」と呼ばれます。
「遺産確認訴訟」とは、相続財産になり得るべき遺産(相続財産)が、遺産の範囲に含まれているか、について争われる訴訟です。
例)父が亡くなり、相続人が子2人の兄弟の場合において、父の相続財産であったはずの不動産の名義が、父が亡くなる直前や亡くなった後に兄に移転された場合に、その不動産は父の相続財産の範囲に含まれるべきであると弟が主張して争われるケース
遺言の有効性・無効性を争う訴訟(いわゆる遺言無効確認訴訟)
遺言無効訴訟とは、文字通り、故人が生前に遺していた遺言に対して、その遺言が無効であると主張して起こす訴訟のことです。
例)母が亡くなり、相続人が母と同居していた姉と別居している弟の2人の場合において、母の遺言が見つかったために、その通りに相続をしようとしたところ、明らかに弟に不利な内容の記載があったため、遺言の作成日を確認したところ、母が認知症になってからの時期だと考えられたため、遺言は無効であると主張して訴訟を起こすケース
当事務所では、相続・遺産分割に関連する訴訟についてのサポートをさせていただきます。
協議や調停の段階で、上記のように事実関係に争いがある場合で、話し合っても平行線を辿る可能性が高いとお思いの場合には、時間と費用は発生しますが、訴訟も視野に入れるべきです。
ただ、訴訟を提起するかどうかの判断は、相続の全体像の中で、訴訟の結果などを想定して行うべきです。
遺産分割審判や関連する訴訟の流れや、訴訟になった場合の見通し、別途訴訟を提起することによるメリット・デメリットなどについては、事前に弁護士にご相談いただき、方針を決定するとよいでしょう。
当事務所では、相続の相談実績年間300件以上・弁護士歴25年の豊富な経験から、遺産分割に関連する訴訟について熟知しており、訴訟の結果を想定してご提案をさせていただくことができます。
一方で、訴訟を起こすことになりますので、お客様単独で進めることは相当難しいと考えられます。
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遺産分割に関連する訴訟について弁護士から提案させていただきます。
遺産分割に関連する訴訟(相続財産確認訴訟や遺言無効確認訴訟など)のご依頼をお受けする前には、丁寧なヒアリングをさせていただき、訴訟の結果を想定し、訴訟の必要があるかどうかについて、お伝えさせていただきます。
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