遺産分割を放置しているとどうなるのでしょうか。
Q.遺産分割を放置しているとどうなるのでしょうか。
他の相続人と話し合いをするのも面倒ですし,
それほど沢山の遺産がある訳でもありませんので,放置しておいても良いでしょうか。
A.親などが死亡し,相続が開始しているにもかかわらず遺産分割未了のままにしておくと,遺産に関する資料が散逸して遺産の調査が大変になるだけでなく,
相続人が死亡して「数次相続」が生じ、問題がさらに複雑化してしまいます。
遺産分割は,早めに行うべきです。
父親,母親の順に両親が亡くなり,その子である長男,二男の2人が相続したと仮定します。父親が所有していた実家は、最終的にそれぞれ2分の1の法定相続分によって、長男,二男が共有することになります。ここで遺産分割未了のまま長男が亡くなると、亡くなった長男の相続人全員が2分の1の共有持分を法定相続分により相続します。その結果,この実家は,存命の二男と、死亡した長男の相続人全員(長男の妻と子など)で共有することになります。
このように、相続が開始したにもかかわらず遺産分割が未了のまま次の相続が起こることを数次相続と呼び、数次相続が起きるたびに当事者は増えていく可能性が高くなります。
共有状態の実家を売却しようとするときには共有者全員の同意を必要としますが,数次相続が起こった結果,共有者同士で面識がない・連絡が取れないなど、話し合いがスムーズに進まないことは容易に想像できます。
このような事態を防ぐため、遺産分割協議は速やかに行うべきですし、当事者間での協議がまとまりそうもないのであれば,遺産分割調停や審判といった手続の利用を検討すべきです。
また,亡くなった母親が賃貸アパートを所有していたとしましょう。
相続後の賃料収入は相続財産ではありませんが、賃料収入は法定相続分に応じて相続人が取得します。
仮に,長男が法定相続分に応じた取得を無視して賃料収入を全て取得している場合、二男は、長男に対して法定相続分である2分の1の不当利得返還請求が可能です。
しかし,不当利得の返還請求権は10年が消滅時効なので、長男の法定相続分を超える賃料取得が10年以上になる場合、過去10年分しか返還されず,10年以上前の分については,既に時効に掛かってしまいます。
このような観点からも,遺産分割は,相続開始後,速やかに行うべきなのです。
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