相続財産に株式が含まれている場合,どのように相続手続きを進めていけばいいでしょうか?(下篇)

上篇では、相続財産に株式が含まれている場合の流れ、相続人・相続財産の調査などをご紹介いたしました。

ここでは、遺産分割・株式の名義変更・相続税について詳しく説明いたします。

 

遺産分割

預貯金や不動産と同様,株式も遺産分割の対象になります。

 

株式は相続開始と同時に法定相続分に従って各相続人に持分が帰属するわけではなく、相続が開始されると相続人全員の「共有」状態となると考えられています。そのため、相続財産に株式がある場合、通常、各人が勝手にこれを処分するということはできず、遺産分割協議を経て権利関係を確定させた上で名義変更が必要となります。

 

したがって、相続財産に株式がある場合には、遺産分割協議を行わなければ,株式の名義変更や売却といった次の手続きに進むことができません。

 

そして,遺産分割をする場合には,遺産である株式の評価を明らかにすることが重要となります。

 

この点,上場株式の評価額市場価格から算出できますので,取引残高報告書等によって把握することができます。

 

これに対して、非上場株式の場合は市場価格というものがないため、その評価方法は複数あり、決まった方法はありません。非上場株式の評価は難しい場合が多いので、弁護士、税理士、会計士などの専門家へ相談したほうがよいでしょう。

 

株式の相続については、まずは株式価値を確定させ、これを前提に遺産分割協議を進め、合意に至った場合に遺産分割協議書を作成するというのが通常の流れです。

 

すなわち,基本的には株式市場で取引されている株式については、原則として遺産分割時の直近の最終価格(終値)によって評価されます。そのため、評価額は客観的に定まります。もっとも,株式が安いときに相続財産として評価すると他の相続人の代償金が安くなるし,株式が高いときに相続財産として評価すると代償金が高くなり,公平性に疑問が生じることもありますので注意が必要です。

 

また,非上場株式については,市場価格がないのが通常であり、そうすると、評価額が客観的に定まりません。その場合、一般的には、国税庁の財産評価基本通達において定められた方法や、会社法上の株式買取請求における株価算定方法を参考に、非上場株式の評価を行います。

 

具体的には、純資産価額方式,配当還元方式,類似業種比準方式などの複数の方法が存在し,いずれかの方法を用いたり,また,これらの方法を複合的に組み合わせて,評価を行い,相続人間の合意を目指して協議します。

 

遺産分割が当事者だけでは,解決できない場合,家庭裁判所に遺産分割調停を申し立てて、裁判官や調停委員に間に入ってもらったうえで,話し合いを行うことになります。

 

さらにそこでも話し合いがまとまらず調停不成立となった場合には、遺産分割審判手続きに移行します。遺産分割審判では、家庭裁判所の審判官(裁判官)が主張と証拠に基づいて適切と考える遺産分割方法を決定します。

 

もっとも,相続人の範囲の問題、遺言書の効力・解釈の問題、遺産分割協議の効力、他人名義の遺産の帰属性等,遺産分割の前提問題に関して合意が得られる見込みがないときは、遺産分割の調停・審判の前提として、民事訴訟や人事訴訟によって,これらの点につき,先行して決着をつけなければなりません。

 

遺産分割審判での決定内容に不服がある場合には、即時抗告という不服申立が可能であり、これをすることで決定は効力を失い、高等裁判所で審議されることとなります。

 

株式の名義変更を行う

遺産分割協議の結果、株式を相続した相続人は、名義変更手続を行います。

 

この手続きは、上場株式であれば当該株式を管理する信託銀行や証券代行会社の窓口で行いますが、非上場株式の場合には株式発行会社との間で直接やり取りすることとなります。また、上場株式で口座管理されていない株券の場合には、証券保管振替機構に対して手続きを取ることになります。

 

その際,必要書面としては戸籍謄本、住民票や本人確認書類、遺産分割協議書、遺言書等が挙げられます。この点,平成29年5月29日(月)から、「法定相続情報証明制度」が始まりました。この制度を利用して、「法定相続情報一覧図の写し」を取得すると、戸籍一式を提出する手間を省くことができ,保険の手続など各種の相続手続にもお使いいただけるため,大変便利です。

 

なお,相続した株式をいつまでに名義書換しなければならないという期限は設けられていません。しかし,名義変更をしておかなければ,株式を売却して現金にすることができない,会社からの配当金を受けられない等,株主としての権利を行使することができないというデメリットもありますので,出来るだけ早く名義変更をしたほうが良いでしょう。

 

相続税がかかる場合

相続税がかかる場合は,相続税の申告をして,納付を行う。

 

相続税の申告義務

基礎控除を超える価額の相続財産がある場合には、相続税がかかります。

 

遺産総額 >  基礎控除額 → 相続税の申告義務あり
遺産総額 ≦  基礎控除額 → 相続税の申告義務なし

 

ここで,相続税の基礎控除額は、次の式で計算します。

 

3,000万円 +( 600万円 × 法定相続人の数 )

 

例えば、法定相続人が3人の場合の基礎控除額は4800万円〔3,000万円 +( 600万円 ×3人)〕です。この場合,相続財産が4800万円以下の場合には,相続税はかかりません。

 

このように相続税の基礎控除は「3,000万円+(600万円×法定相続人の数)」以下の財産であれば、そもそも相続税がかからないことになります。

 

株式が相続財産の場合

 上場株式の場合
上場企業の株式の場合、評価方法としては以下の4つの価額のうち最も低い金額を採用できます。
① 相続があった日の終値
② 相続があった月の終値の平均額
③ 相続があった月の前月の終値の平均額
④ 相続があった月の前々月の終値の平均額

 

被相続人が死亡した日が土日祝日の場合、証券取引所は休みであるので、市場価格を求めることができません。そこで、相続発生日の直近の終値を相続発生日の終値として計算します。

 

たとえば、被相続人が,日曜日に死亡したら、前々日の金曜日の価格を基準に評価します。死亡日が連休の中日の場合では、連休前の終値と連休後の終値の平均額を相続発生日の終値として評価します。

 

株式の銘柄が複数ある場合には、それぞれについて最も低い金額を選べます。

 

イ 非上場株式(未公開株)の場合

非上場株式については,前述の通り,市場価格がないのが通常であり、そうすると、評価額が客観的に定まりません。

 

その場合、一般的には、国税庁の財産評価基本通達において定められた方法をもとに非上場株式の評価を行います。

 

株式を売却する

上場株式を売却して現金化する

上場株式とは,証券取引所で市場取引が可能な株式のことであり、誰でも取引所を通じて当該株式を売ったり、買ったりできます。

 

株式を売却する方法は、例えば証券会社の担当者に「この株を売ってください」と電話で指示する方法がありますし、現在は多くの証券会社でインターネットのオンライン取引が可能であり,インターネット取引に対応している口座であれば,インターネットにより株式の売却が可能です。

 

非上場株式を売却する

非上場株式はいわゆる「未公開株」のことであり,証券取引所での取扱いがない株式です。そのため、非上場株式は上場株式のような簡易・迅速な取引ができません。また,通常、非上場株式は株式に譲渡制限が付けていることが多いです。

 

従って,自ら株式を買い取ってくれる人を探すか,会社に買い取ってくれるか交渉することが考えられます。また,株式を発行している会社の側から,売渡しを請求してくる場合もあります。

 

まとめ

以上のように,株式は不動産や預貯金と共通する部分も多いですが,その価値が大きく変動する可能性を秘めている,複雑な手続を要する場合があるという難しい問題があります。

 

そこで,相続手続及び会社関係法務を熟知した弁護士にご依頼いただくことが、最終的には最適な解決に至る近道となります。

 

当事務所の弁護士は、弁護士歴20年以上の経験の中で様々な相続事件・会社関係事件を解決し、相続手続及び会社関係法務に熟知しております。皆様に最適なサポートを提供いたしますので,お悩みの方は,是非一度,当事務所にご相談ください。

 

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この記事の監修者

監修者:弁護士・税理士 岡本成史

【専門分野】

相続、不動産、企業法務

 

【経歴】

平成6年に、京都大学法学部在学中に司法試験合格。平成9年に弁護士登録後、大阪の法律事務所勤務を経て、平成18年10月に司法修習の配属地でもあった福岡で岡本綜合法律事務所を設立。

 

平成27年に相続診断士を取得し、相続の生前対策に積極的に取り組む。また、平成29年には宅地建物取引士(宅建)、平成30年には家族信託専門士、税理士の資格を取得・登録。不動産や資産税・相続税にも強い福岡の弁護士として活動している。

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