遺贈と通常の相続にかかる相続税の違いとは?

Q.私には,妻と2人の子供(長男,長女)がいます。また,長年私の経営する会社を支えてくれた妹の夫(義理の弟)がおります。私としては,私が死亡した後に,妻と2人の子供及び義理の弟の4人に財産をあげたいのですが,そうすることはできるのでしょうか?税金など気をつけることなどあれば,教えて下さい。


A.妻と2人の子供には財産を「相続」させ,義理の弟には「遺贈」をすることで,あなたの財産を与えることはできます。そのためには,遺言を作成することが必要です。また,税金については以下で詳しく述べます。

 

「相続」と「遺贈」の違い

 相続とは、ある人が亡くなった時にその人の所有していたすべての権利及び義務(土地家屋などの不動産や預貯金などの金融資産、住宅ローンや滞納税金等の負債、連帯保証人としての立場など)を、一定の者が引き継ぐことをいいます。

 

 なお,権利義務を引き継ぐ人のことを「相続人」,引き継がれる人のことを「被相続人」といいます。

 

 民法において,誰が相続人となるかについて,明確に定められております。 

 
 遺贈とは、被相続人が,遺言によって受遺者(遺言で財産を引き継ぐ者)に、自己の財産を与える処分行為のことです。
 
 遺贈は,相続と異なり,相続人たる資格を有していない者に対してもすることができます。したがいまして,相談者様は,義理の弟に対して,自己の財産を遺贈することができます。

遺言を作成しておかないとどうなるのか?

 法定相続分割合②亡くなられた方に配偶者と子供がいる場合は、配偶者と子供が法定相続人になります。法定相続人が配偶者と子供の場合、配偶者の法定相続分は遺産の2分の1、子供の法定相続分の合計は遺産の2分の1となります。子供が複数人いる場合は遺産の2分の1を子供の数で均等に分割します。

 例えば、遺産が1億円あり,妻と子供2人が法定相続人の場合、妻の法定相続分は遺産の2分の1ですので5,000万円、子供一人あたりの法定相続分は2分の1を2人で分けるので各2,500万円となります。

 質問者様の場合,義理の弟は相続人ではないので,遺言で財産を遺贈する旨書いていないと,基本的には,義理の弟にあなたの財産を承継させることはできません。

相続と遺贈の税務上の違いは?

相続税の基本

 相続税とは、被相続人から相続などによって財産を取得した場合に、その取得した財産に課される税金のことをいいます。

 

 相続や遺贈によって取得した財産や相続時精算課税制度により贈与を受けた財産の価額から、債務などの金額を差し引き、相続開始前3年以内の贈与財産の価額を加算した価額が、基礎控除額を超える場合には、その超える部分に課税されます。

 

 言い換えれば、この基礎控除額を下回るときは、税金は課税されませんので申告する必要はありません(ただし、一定の特例を適用する場合は、申告する必要があります。)。

 

遺産に係る基礎控除額(平成27年1月1日以降の相続から)

 法定相続人の数によって、この基礎控除額は計算されます。

 

 なお、相続放棄をした人も法定相続人の人数に含められます。また,養子の場合は、亡くなった人に実子がいる場合は1人、実子がいない場合は2人まで含めることができます。

 

基礎控除額 =3,000万円+(600万円×法定相続人の数)

 

 相続も遺贈も,いずれも課税されるのは,「相続税」となります。

相続税が2割加算されるケースがある

 被相続人の財産を取得した人が被相続人の配偶者、父母、子供,代襲相続人の孫以外の者への遺贈は相続税が2割増になります。以下,詳しく述べます。

 

 遺贈を受けた者が,以下の者である場合には、相続税は2割増しにはなりません。

  配偶者(夫、妻)

  親

  子ども

  子どもの代襲相続人である孫

 

 遺贈を受けた者が以下の者である場合には、相続税が2割増しになります。

  祖父母

  兄弟姉妹

  甥姪

  従姉妹

  その他の親族

  その他の第三者(お世話になった人など)

 

 したがいまして,質問者様の事案ですと,義理の弟に遺贈する際には,相続税が2割増になります。

 

 以上のように,遺贈の場合は,受遺者が誰であるかによって,通常の相続税よりも税金が高くなる可能性がある点に注意する必要があります。

 

不動産を遺贈すると【不動産取得税】と【登録免許税】がかかる

登録免許税とは

 相続や遺贈で不動産を取得すると「登録免許税」という税金もかかります。

 

 これは、不動産の所有権移転登記をするために国に収める,手数料のような税金です。

 

 この点,遺贈の場合は,所有権の登記名義人の移転登記をするときの登録免許税が,相続の場合に比べて高くなります。

 

 相続の場合の登録免許税は,不動産の評価額の0.4%遺贈の場合は,不動産の評価額の2%となります。

 

 ここでいう「不動産の評価額」とは,不動産を所有している人宛に毎年送られてくる「令和○○年度 固定資産税納税通知書」に記載されている固定資産税評価額のことです。

 

不動産取得税とは

 不動産取得税とは、不動産を取得したときにかかる税金です。有償・無償の別、登記の有無にかかわらず課税されることになります。毎年支払う固定資産税とは違い、取得時の1回のみ支払う税金です。

 

 相続により不動産を取得した場合には,不動産取得税は課税されません。
 

 相続人以外へ特定の財産を遺贈する「特定遺贈」の場合には,不動産取得税が発生する可能性があります。

 

まとめ

 それでは今回の内容を確認しましょう。

(1) 相続は,相続人の資格が明確に法定されているが,遺贈は相続人以外の者にもすることができる。

 

(2) 相続人以外の者に財産を残したい場合には,遺言を作成する。

 

(3) 遺贈の場合は,相続税や登録免許税が高くなる場合がある。

 

(4) 遺贈の場合は,不動産取得税がかかる場合がある。

 

 以上のとおり,財産を自分が望む通りに承継されるために気をつけるべきことは多岐にわたります。また,相続税を含む各種税金が課税される可能性があります。したがいまして,遺言作成だけでなく,遺言を作成する前の準備段階から,相続に熟知した弁護士及び税理士が関与し対策をしていくことが重要です。

 

 当事務所の弁護士は、弁護士歴20年以上の経験の上、税理士とのネットワークをもとに,様々な相続に関するご相談に対応して参りました。このような経験から,相続全般について,法的観点のみならず税務面も踏まえて,皆様に最適なサポートを提供いたしますので,お悩みの方は,是非一度,当事務所にご相談ください。

 

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この記事の監修者

監修者:弁護士・税理士 岡本成史

【専門分野】

相続、不動産、企業法務

 

【経歴】

平成6年に、京都大学法学部在学中に司法試験合格。平成9年に弁護士登録後、大阪の法律事務所勤務を経て、平成18年10月に司法修習の配属地でもあった福岡で岡本綜合法律事務所を設立。

 

平成27年に相続診断士を取得し、相続の生前対策に積極的に取り組む。また、平成29年には宅地建物取引士(宅建)、平成30年には家族信託専門士、税理士の資格を取得・登録。不動産や資産税・相続税にも強い福岡の弁護士として活動している。

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