養子の相続分は,どうなるのでしょうか。
Q.養子の相続分は,どうなるのですか。
A.普通養子も特別養子も,戸籍上,養親の子であることには変わりありませんから,実子と同様に,養親の相続について法定相続人となり,法定相続分を有します。
養親・養子間の相続の場合
養子には,実親との親子関係は存続させつつ,養親との親子関係が生じる普通養子と,実親との親子関係は終了し,養親との親子関係が生じる特別養子の2種類があります。
特別養子縁組については,特別養子制度の利用を促進するために,令和2年4月1日から,特別養子縁組における養子となる者の年齢の上限が原則6歳未満から原則15歳未満に引き上げられています。
普通養子も特別養子も,戸籍上,養親の子であることには変わりありませんから,実子と同様に,養親の相続について法定相続人となり,法定相続分を有します。
兄弟姉妹間の相続の場合
また,兄弟姉妹間の相続においても,養子は,相続人となります。
被相続人に子がおらず,親(養親)も既に他界している場合,被相続人の兄弟姉妹が相続人となります。仮に,被相続人の兄弟姉妹の中に養子がいる場合は,養子についても兄弟姉妹であるため,相続人となります。
なお,相続人となるためには,戸籍上のつながりが必要です。
したがって,仮に被相続人の生前,被相続人から子ども同様に可愛がられた者や,被相続人のことをまるで実の親のように世話していた者がいたとしても,戸籍上、子となっていなければ,その者は,相続人とはならないので注意が必要です。
もし,実の親子のような関係の者がいて,その者に自分の財産を引き継いでもらいたいと考えているのであれば,遺言を作成しておくか,養子縁組しておく必要があります。
養子と代襲相続
次に,代襲相続については,注意が必要な点があります。それは,被相続人が死亡した時点で既に養子が死亡していたとしても,代襲相続が生じる場合と生じない場合があることです。
なお,代襲相続とは,本来相続人になるべき人(例えば子)が被相続人(例えば親)の死亡よりも前に死亡していたり、相続欠格や相続廃除によって相続権を失った場合に、その人の子(例えば,被相続人から見ると「孫」)が代わりに被相続人の相続をする制度です。
具体的には,養子縁組よりも前に養子に子どもがいた場合には,その子どもは,養親の法定血族とはなりません。したがって,このような場合に養子が亡くなった後に養親が亡くなっても,養子の子どもに代襲相続は認められません。
一方,養子縁組後に養子に子どもが生まれた場合は,養子の子どもは養親の法定血族となるので,養子の子どもは,養親の相続において代襲相続できます。
このように,養子の子どもについては,養子縁組と養子の子どもが生まれた時期の前後関係によって,代襲相続が生じる場合と生じない場合がありますので,注意が必要です。
相続税対策と養子縁組
少し話が変わって,相続税のお話です。
養子縁組すると,法定相続人が増えることとなるため,相続税の計算上,相続税の基礎控除が増える,生命保険の非課税枠が増えるといった効果も期待されます。
例えば,相続税の基礎控除額は,3000万円+600万円×法定相続人の数で計算されます。つまり,養子縁組により法定相続人が増えれば,それだけ基礎控除の金額も大きくなるのです。
ただし,「法定相続人の数」に含める養子の数は,被相続人に実の子供がいる場合は1人まで,被相続人に実の子どもがいない場合は,2人までですので,ご注意ください。
ただし,養子縁組が絡む相続は,元々,実子ではない者が相続人となることから関係性が複雑になりやすく,また,元々の人間関係に問題を抱えるケースもあるため,遺産分割協議においても争いとなりやすいです。
相続税対策だけを考慮して安易に養子縁組を行ってしまうと,後日,相続開始時に思わぬ紛争の種となってしまうこともありますので,注意が必要です。また,遺産分割協議において紛争が生じそうな場合は,早めに弁護士に相談されることをお勧めいたします。
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