不動産を他の相続人と共同で売却して代金を分配したい
相続人の中に,不動産の取得を希望するものがいない場合には,不動産を相続人全員で売却して,売却代金から諸経費を控除した残金を法定相続分にしたがって分配するという方法をとることもよく行われます。
相続人の中に,特別受益や寄与分の主張をするものがいなければ,分割しにくい不動産よりも,不動産を売却して分割がしやすい金銭に換えて,相続分で分け合うことは相続人間でトラブルが起きにくい方法といえます。また,不動産を売却してしまえば,今後は,不動産を保有しておくことによる諸経費(固定資産税,建物等への火災保険,修理費用,光熱費等)が発生せず,今後の金銭面の負担もなくなります。
ただし,相続人全員が不動産売却に向けて意思統一できるのかという点で調整が難しい場合もあります。
また,売却するにあたっても,どの業者に依頼するのか,相続人のうちの誰が主導して売却手続きを進めるのか,売却額などの売却条件について相続人間で意見の不一致が生じないかなど売却までに調整すべき内容がいくつもあります。また,不動産の売却にあたっては,境界の確定や建物内の残置物の処理,売却までの不動産の管理の問題があり,売却後に売却金を適切に分配ができるか,また譲渡所得が発生する場合の税金の申告など検討しなければいけない点が多く存在しています。
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