数十件の相続調査を実施し,保証債務を外して相続できた事例
相談内容
依頼者は,子3人を抱える専業主婦であり,50歳代の夫は会社を経営していましたが,若くしてガンで亡くなりました。
依頼者は,夫がどのような財産を保有しているのかもまったく把握していませんでした。
夫の経営している会社の経営状態は決して悪くはなく,親族ではない役員が会社の株式を譲ってもらって,会社を引き継ぐことを希望していました。
その会社は,銀行からの借入が数億円存在し,代表取締役であった夫が銀行からの数億円の借り入れの保証人になっていました。
依頼者としては,亡夫の財産の内容も分からず,資産と負債のどちらが多いのかも分からず,また夫が経営していた会社の銀行借入についての保証債務を引き継ぐことになると破綻しかねないなど,何をどうして良いのか分からないとして相談にお越しになられました。
争点
亡夫の遺産を相続するのか,それとも相続放棄をすべきであるのかを判断するために,まずは相続財産の内容を明らかにする必要がありました。
また,会社の保証債務を合わせると明らかな債務超過でしたが,保証債務を外すことが可能かも検討する必要がありました。
弁護士の提案内容
自宅にある財産の手掛かりになると思われる資料を一切合切お持ちいただいて,財産調査を行うこと,並行して会社を引き継ぎたいという役員の方に代表者就任と保証債務の引き受けをする意向があるのか,また金融機関がこれに応じるのかを確認することを提案しました。
結果
通帳等から明らかな金融機関だけではなく,現在は通帳を発行しないネットバンクや,投資商品があります。通帳,各種郵便物や資料をもとに財産(負債を含む)がありそうな先に手当たり次第に照会を掛けました。また,パソコンの中に保存されていたIDなどから関係しそうな相手先にも照会をし,照会先は50数件に及びました。
このような多数の調査には,時間を要することから,将来的に相続放棄をする可能性も念頭において,家庭裁判所に相続放棄等の期間伸張の申立も行いました。
数ヶ月に及ぶ調査の結果,保証債務さえ外せれば,相続財産は資産の方が多いことが明らかになりました。
また,後継者となることを希望される役員の方に,会社の株式を適正価格で買い取っていただくとともに,保証債務を引き継いで頂くこともできました。
弁護士の所感(コメント)
残された相続人が,被相続人の資産と負債の内容などを十分に把握できていないケースでは,手掛かりをもとに,被相続人の財産調査を行う必要があります。
もっとも,現在は,通帳を発行していないネットバンクだけではなく,ネット上で完結する仮想通貨その他の金融商品も多数存在していますので,残された相続人において一から調査を行うのは大変な労力を要します。
多数の相続財産調査を行ってきた弊事務所であれば,このような案件について適切に対応できる訳ですが,まずは被相続人において財産の目録を作成され,更に進んで財産の目録をもとに遺言書を作成しておかれれば,残された相続人に対し,このような苦労をさせる必要もなかったのではないかと思われます。
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