【遺言書作成例4】介護した相続人
事例
Xには,長男A,長女Bの2人の子供がいるが,夫を早くに亡くしている。長男Aは結婚して家を出たが,長女Bは結婚した後も,これまでXと同居してきた。
最近,Xは要介護度が上がったため,長女Bが自宅で介護することを決意し,仕事を辞めて,Xの介護に専念している。
長男Aは,Xに対し介護施設への入所を勧めるだけで,遠方に住んでいるため,この間お見舞いにもほとんどこない。
遺言書を作成しない場合
・長女Bから寄与分の主張がなされ,長男A vs 長女Bの相続紛争が勃発する可能性があります。
長女:介護に貢献したことを評価して,多くもらえるはず!
長男:兄弟である以上,平等なはず!逆に,長女は親と同居して生活費の援助も受けていたので,相続分は少なくていいはず。
※ 寄与分:被相続人の生前に、被相続人の療養看護等により,その財産の維持や増加について,特別な寄与(貢献)をした相続人がいる場合に,貢献のあった相続人の相続分を増加させる制度です。その結果,遺産からその者の寄与分を控除したものを相続財産とみなして,各相続人の相続分を算定することになります(民法904条の2)。
遺言書作成例
遺言書
第1条 遺言者Xは,次のとおり相続分を指定する。
A 3分の1
B 3分の2
第2条 本遺言の執行者として次のものを選任する。
省略
第3条 付言事項
長女は,私の要介護度が上がった平成○年◯月◯日から,長年勤めていた会社を退職し,私の看護のために献身的に尽くしてくれました。長女のおかげで,私は介護施設のお世話になることなく自宅で生活することができ,財産を維持することができています。
その御礼として,この遺言書を作成しました。どうか,母の気持ちを理解して,相続に関して,決して争うことなく,いつまでも仲良く暮らしてください。
ポイント
・寄与分を考慮して,「相続分の指定」をしています。ただし,遺産に不動産などが含まれる場合には,遺言書文例1や2のように,具体的に誰に何を相続させるのかを書いておくのが望ましいです。
・相続人間で相続させる財産に不平等がある場合には,相続人・家族への感謝の気持ちや形式的には不平等に思える遺言を作成した理由などを「付言事項」としてまとめておかれると,残された家族も遺言作成の背景事情を理解し,納得される可能性が高まり,相続トラブルの発生を抑える効果が期待できます。
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