遺言の書き方に決まりはありますか?
Q.遺言を書きたいのですが,書き方に決まりはありますか?
A.遺言は,民法に定める方式に従わなければ,することができない(民法960条)とされています。
一般的によく用いられるのは「自筆証書遺言」と「公正証書遺言」ですので,ここでは,この二つに絞って説明します。
「自筆証書遺言」は,遺言者が,その全文,日付及び氏名を自書し,これに押印するという方法により作成します(民法968条)。
全文が自書される必要がありますので,日本語ではなく,外国語で書かれていても問題はありませんが,パソコン,ワープロ,タイプライター,点字機等で作成された遺言は「自書」ではありませんので,無効ということになります。
なお,遺言に財産目録を添付する場合,膨大な財産を手書きするのは大変なので財産目録をパソコンなどで作成しようと考えることもあるかもしれませんが,2019年(平成31年)1月12日までの改正前の民法では,財産目録についても,自筆で作成しないと無効となってしまいます。
なお,同月13日以降に作成された自筆証書遺言については,一定の要件のもと,パソコン等で作成した目録や他の人に作成してもらった目録を添付したり,銀行通帳のコピーや不動産の登記事項証明書等を目録として添付したりして遺言を作成しても有効となるなど,自筆証書遺言の要件が緩和されます。
なお,鉛筆で書いたものは無効ではありませんが,消えてしまったり,勝手に書きかえられてしまう可能性もありますので,消せないボールペンや万年筆を使って作成するのが望ましいです。
「自筆証書遺言」の場合,遺言書の作成自体に費用が掛からず,内容も秘密にできるため,手軽に作成することができるというメリットはあります。しかし,その裏返しとして,遺言者の死後に遺言書が発見されないおそれがある上,偽造,変造,隠匿されるリスク(偽造,変造されたのではないかと疑われるリスクを含みます。)があるというデメリットもあります。
また,内容を秘密にできるため,他人に相談せずに作成した結果,方式に不備があり遺言書が無効とされてしまう,ということもあります。
なお,「自筆証書遺言」は,遺言者の死亡後に,家庭裁判所の検認の手続(民法1004条1項)を経る必要があります。この「検認」の手続を,家庭裁判所が遺言書の有効・無効を判断してくれる手続と誤解されてある方がいらっしゃいますが,そもそも家庭裁判所の「検認」の手続は相続が開始した後の手続である上(同項),遺言書の状態を確定しその現状を明確にする手続であって,遺言書の有効・無効を判断する手続ではありません(大決大正4年1月16日民録21・8)。ご注意ください。
「公正証書遺言」は,証人が2人以上立ち会った上で,遺言者が遺言の趣旨を公証人に口授し,公証人がこの口授を筆記し,これを遺言者及び証人に読み聞かせ,又は閲覧させ,遺言者及び証人が筆記の正確なことを承認後,各自これに署名押印し,公証人がその証書は民法に定める方式に従って作ったものである旨を付記して,これに署名押印するという方法により作成します(民法969条)。
公証人は,元裁判官や元検察官などの法律の専門家ですので,公証人が関与して作成されますので遺言の形式上の要件を欠いていて無効になるということはほどんどなく,また遺言書の原本も公証人役場で保管するため変造のおそれがないというメリットがあります。
また,遺言者死亡後に家庭裁判所での検認の手続を経る必要がない,というメリットもあります。デメリットとしては,公正証書作成のための費用が掛かることと,証人の立会いを要するため遺言の内容を秘密にできない,ということが挙げられます。
なお,平成32年7月10日に「法務局における遺言書の保管等に関する法律」が施行され,法務局が自筆証書遺言を保管してくれる制度が運用される予定です。この制度を利用すれば,法務局が自筆証書遺言を保管してくれますので,紛失や変造等のリスクがなくなります。また,遺言書保管所に保管されている遺言書については,遺言書の検認をしなくてもよくなるなどのメリットもありますが,一定の手数料を納めることになります。
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