連れ子に相続権はありますか?
目次
Q 私の母は、20年前に再婚しました。私は、母の再婚相手と、養子縁組をしていません。
母と再婚相手との間には、子供が1人いる状況です。
最近、母の再婚相手の体調がよくない状況です。
仮に、今の状況で、母親の再婚相手が死亡した場合、私は、母の再婚相手の財産を相続することはできるでしょうか?
A 母の連れ子である相談者は、母の再婚相手と養子縁組をしていませんので、母の再婚相手の相続人ではありません。
そのため、母の再婚相手の財産を相続することはできません。
母の再婚相手の相続人は、相談者の母と再婚相手と母の間の子ということになります。
以下では、相談者が、母の再婚相手の相続人でない理由を解説します。
また、相談者が、母の再婚相手の財産を取得する方法についても、解説します。
連れ子の相続権について
法律上、「被相続人の子は、相続人となる」と規定されています(民法887条1項)。
「被相続人の子」とは、実の子または養子縁組をした子である必要があります。
再婚相手が、連れ子の親と再婚や同居をしている状態で、連れ子に実の子と同じように接していたとしても、それだけでは、法律上の親子関係にはなりません。
連れ子が、再婚相手の相続人となるためには、連れ子と再婚相手との間で、養子縁組をして、法律上の親子関係になる必要があります。
連れ子が再婚相手の財産を取得する方法について
連れ子が、再婚相手の財産を取得する方法は、次の3つが考えられます。
①再婚相手が連れ子と養子縁組をする方法
②再婚相手が連れ子に対して生前贈与を行う方法
③再婚相手が遺言書を作成して連れ子に遺贈する方法
①再婚相手が連れ子と養子縁組をする方法
~手続きの違いについて~
養子縁組は、連れ子が15歳未満の未成年者である場合と15歳以上の未成年者または成人である場合では、手続きに違いが生じます。
① 15歳未満の者を養子にする場合
未成年者が意思能力が有していたとしても、親権者などの法定代理人の同意が必要になります。
② 15歳以上の未成年者が養子になる場合
意思能力を有していれば、親権者などの法定代理人の同意は不要になります。
③ 成人を養子にする場合
意思能力を有していれば、養子となる方と養親となる方との間で、養子縁組をすることが可能です。
また、15歳以上の未成年者または成人の場合は、家庭裁判所の許可は不要となります。
~相続人になる方法~
再婚相手と連れ子が養子縁組すると、連れ子は再婚相手の「子」として相続人となります。
相続人が増えることで、相続税の節税の効果も見込めます。
なぜなら、相続税の基礎控除は、3000万円+600万円×法定相続人の数となっており、相続人には、養子も含まれるため、基礎控除の金額が大きくなり、その分、控除額が増加することになります。
また、生命保険の非課税枠は、500万円×法定相続人の数となっており、拡大にもつながるため、節税効果が見込めます。
ただし、法定相続人の数に加算できる養子の人数には一定の制限があります。
また、連れ子を養子にした場合、他の相続人が、養子の存在を快く思わず、対立が生じる可能性があるため、遺産分割協議を行う際などに、争いとなる可能性があります。
~詳しくはこちら~
② 再婚相手が連れ子に対して生前贈与を行う方法
再婚相手が連れ子に対して、生前に再婚相手の財産を贈与する方法もあります。
この場合、他の推定相続人が反発を示し、トラブルに発展する可能性があります。
また、生前贈与を行うと、受贈者(贈与を受けた方)に贈与税が発生する可能性があるりますので、注意が必要です。
~詳しくはこちら~
③ 再婚相手が遺言書を作成する方法
遺言書を作成することで、遺言者(遺言を残す方)の遺産を相続人以外の方に相続させることができます。
しかし、相続人ではない連れ子に遺贈した場合、相続税の2割加算の対象になるため注意が必要です。
被相続人(亡くなった方)が、遺言によって相続人ではない方に自分の財産を譲ることを「遺贈」といいます。
「遺贈」には、特定遺贈と包括遺贈があります。
~特定遺贈とは~
受遺者(財産を取得する方)に与えられる財産が特定されている遺贈をいいます。
例えば、「福岡市中央区○○所在の土地を○〇に遺贈する。」という内容になります。
~包括遺贈とは~
遺産の全部または一定割合で示された部分の遺産を受遺者(財産を取得する方)に与える遺贈をいいます。
例えば、「自分の財産のうち4分の1を〇〇に遺贈する。」という内容になります。
~遺言書の種類について~
遺言書の種類には、自筆証書遺言や公正証書遺言があります。
自筆証書遺言とは
遺言書の全文、日付及び氏名を自書し、押印し作成する遺言書です。
自筆証書遺言を作成する場合には、手数料(3900円)を納め、法務局で保管することができる制
度もあわせて利用することをおすすめします。
公正証書遺言とは
公証役場にて、公証人と呼ばれる法律の専門家のもと、作成する遺言書です。
なお、遺言書の種類にかかわらず、法定相続人でない連れ子に財産を譲る際には、相続人への配慮を行い、連れ子と相続人との間で争いにならないよう対策する必要があります。
~詳しくはこちら~
まとめ
再婚相手と養子縁組をしていない連れ子は、再婚相手と法律上の親子関係がありませんので、再婚相手の相続人とはならず、遺産を相続することができません。
連れ子が、再婚相手の財産を取得するためには、
①連れ子と再婚相手との間で養子縁組をする方法
②再婚相手が連れ子に対して生前贈与を行う方法
③再婚相手が遺言書を作成して連れ子に遺贈する方法
があります。
どの方法を選択することがよいかは、ご自身の家族の関係性などにより異なります。
また、遺言書の書き方には、厳格なルールがありますので、専門家である弁護士に相談するのがおすすめです。
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